大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)2241号 判決

被告人 少年C

控訴趣意第一点について

原判決が、被告人の前科関係として、被告人は昭和二十三年十二月十八日横浜地方裁判所に於て窃盗未遂罪により懲役二年以上三年以下の不定期刑に処せられ、未決勾留三十日算入せられ、本件犯行当時其の執行を終り、未だ五年を経過していなかつたものであると認定し、被告人の原判示一の原審N被告人と共謀による昭和三十一年六月二十四日の窃盗行為、及び同三の単独犯行による昭和三十年十一月二十五日の窃盗行為に対し、各刑法第五十六条第五十七条を適用し、再犯加重していることは所論の通りである。而して、原判決挙示の被告人の司法警察員に対する昭和三十一年七月十一日附供述調書及び被告人に対する前科調書並びに当審の事実取調としてしたD少年刑務所作成の執行状況に関する件回答書によれば、被告人は右前科刑を昭和二十四年一月三日より十箇月と十六日間服役して同年十一月十八日仮出獄を許され、その後該処分を取消されることなく、仮出獄前に刑の執行を受けた期間と同期間の十箇月と十六日以上を経過したことが認められるから、少年法第五十九条第二項により被告人の右前科刑は所論の如く昭和二十五年十月三日に執行を受け終つたものと云わなければならない。然らば、この日時より原判示一、三の各犯行日時までには優に再犯加重要件としての五年内を超えているので、この点を看過して、前叙の如く被告人の本件各犯行に対し再犯加重した原判決は、少年法第五十九条第二項の解釈を誤つた結果、適用すべからざる刑法第五十六条第一項第五十七条の規定を適用した違法があつて、この違法は判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、被告人に対する原判決は到底破棄を免れない、論旨は理由がある。

(裁判長判事 中西要一 判事 山田要治 判事 石井謹吾)

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